やればできる・・は勘違いの話
こんにちは、理塾です。
今日は、「やればできる・・」「覚えたらできる・・」などの考え方は、よほど考えて使わないと、基本的に勘違いであって危険ですよ、というお話をします。
皆さんは、こういう発言を聞いたことはありませんか?
「この子はやったらできる子なんですが・・」とか「社会は覚えるだけの科目だから覚えたらできる・・」とか。
たしかにその通りなんですよ。
基本的に、やってもできない子はいませんし、社会の基本となる部分はまず暗記です。
ただ、その事実と「できる」という達成の部分をくっつけて考えるのは、大変危険です。
なぜなら、ほとんどの場合において、「理屈では可能なことが、実際には全くできない」からです。
ここを勘違いして、くっつけてしまっている人が多い。
そして、そういう人は、勉強面で空回りしている気がします。
やったらできる子が、現状できていないのは、していないからです。
もっと詳しく言えば、「していないのが日常」だからです。
そして、そういう子にとっては、「やったら・・」という話をするのは非日常です。
非日常を前提にして話をしても、まず、できるわけがない。
当たり前のことなのに、皆さんここに気づいていない。
もっとわかりやすく言えば、世の中に大勢いらっしゃる生活習慣病のメタボの方(塾長含む)は、全員「頑張ったら痩せる」ってなりますよね。
頑張ってダイエットしたら、誰だって痩せます。毎日走ったら痩せる。あまり食べなければ痩せる。やればできる。
当たり前の話のはず。
でも・・・現実は・・・そう甘くありませんよね?
40歳を超えて、徐々に肥えていく(貫禄がついていく)人は多いですが、「一念発起して痩せた」という人は、周囲にそう何人もいないはず。
そのくらい、「やること」そして「続けること」は難しいものなのです。
その難しいことを、簡単に「やったら・・」という前提に掲げるのは、そもそもおかしいというか、夢物語に近いというか、軽はずみな発想なんです。ですから、そんなことを前提に話を進めるのは、大変危険なんです。
それがわかってるから、お医者さんは「頑張ったら痩せますよ」で簡単に片付けないですよね。
「毎日運動頑張れば、健康的に痩せますよ。頑張りましょうね。以上。」というアドバイスしかしないお医者さんがいたら、どう思います?
頑張ったらできるのは違いないにしても、どこか投げやりな印象を抱きませんか?
そうではなく、「ダイエットってしんどいですよ、でも、やる必要があります。なぜなら、この血中コレステロール値を見てください。しかも血圧が大変なことになってます。このままだと・・・」という話をお医者さんはしますよね。
そういう風に言われたら、「なるほど、やらなきゃな」と思って、しっかり食事や生活リズムなどの環境面から見直していくでしょう?
勉強の話でも全く同じで、「努力ってしんどいよ、でも、やる必要があるんだ。今のままだと、志望する学校に合格できる見込みはない。国語は今のままでもいいけど、英語と数学が大変なことになっている。だからそれを挽回するために必要な勉強法はね・・」と、塾長は生徒に話すようにしています。
その方がわかりやすく、何よりも安定して続ける努力家になるからです。
「やったらできる」なんて簡単に甘い事を言って、ちょっとやる気にさせてみても、そう長続きはしません。
現実を一緒に考えて、「どうやって改善していくか」を共有して、一緒に頑張っていく環境を整えてこそ、続くんです。
皆さん、学習面の環境整備を頑張りましょう。
では。