こんにちは、理塾です。
先日、奈良女子高校さんで生徒さんを対象とした講演をさせていただくことになりました。
今回は、その時の様子をご案内しますね。
奈良女子高校には複数のコースが設置されていますが、中でも進学に熱心なのが「センター受験コース」です。
木村コース長に率いられたセンター受験コースは、西ノ京高校レベルの生徒さんが入学されることが多いのですが、『基本的に国公立大学か関関同立に合格させる』という、すさまじいまでの進学実績を残されています。
受験のカリスマ:木村先生
公立高校の進学実績を拝見すると、クラスの半数以上を「関関同立」以上に合格させているのは、奈良高校、畝傍高校、郡山高校あたりのものです。
平城高校や高田高校になると、クラスの平均あたりだと「関関同立」あたりは少々苦しいのが実情で、「産近甲龍」あたりが妥当と言えてきます。
奈良北高校や橿原高校になると、国公立大学への合格はほぼ無理で、クラスの平均あたりだと、「関関同立」どころか「産近甲龍」も合格は厳しい世界です。
しかし、木村先生の手にかかると、これらの公立高校に合格できなかった生徒を、国公立大や関関同立にどんどん合格させている。
このように、実際に公立高校の進学実績と比較しても、奈良女子高校さんのセンター受験コースの進学実績は素晴らしいの一言に尽きます。
もともと「勉強ができる!」と鳴らしている生徒を「難関大学に合格させる」のも、もちろん大切なことです。
ただ、それは「求められて当然」の水準であり、出した成果は「当たり前」のものかも知れません。
しかし、「そこまで勉強は得意ではなかった」という生徒を「難関大学に合格させる」という痛快さと仕事のやりがいを、私はこの木村先生からたくさん学ばせていただいています。
「どんな生徒だって、ちゃんとやれば、必ず結果は残せるんだ」「大切なのは、教える側が授業をするだけではなく、正しい勉強のやり方を導けるかだ」と感じることができ、これこそ教師冥利に尽きる話だと思うのです。
さてさて、高校生というものは多感な思春期ということもあり、悩んだり反発したり感動したりしながら、自我を成長させるものです。
理塾の教室には畝傍高校生も多数在籍してくれていますが、勉強が得意な彼らも結構サボったりします。
そしてサボっただけ点数を落として、焦って勉強して、また点数を上げて安心して、の繰り返しです。
部活も忙しければ恋愛の悩みもあり、本当に多感な青春期を目の前で見せてくれます。
だからこそ、本当に高校生というものは忙しく、だからこそ高校生活の中には、途中でモチベーションが下がる瞬間というものが、何度も訪れるものです。
今回は、木村先生から有難いことに「ちょっと生徒達が中だるみしているようだから、生徒のモチベーションを上げる話を講演してくれないか」という依頼を頂戴できました。
果たして、我々が「どれだけ生徒さんのモチベーションを上げられるのか」は自信がありませんでしたが、ある意味、塾の教師としての最大の仕事は「生徒のモチベーションを上げること」です。
いつも塾生達に話していることを伝えていこう、と考え、恐縮しながらも講演の依頼を引き受けることにしました。
さてさて。
もうすぐ40歳を迎える塾長は、日々「容赦なく我が身に訪れる老いと戦いつつ、いかに生徒との距離感を維持するか」を考えています。
生徒との年齢差が広がれば広がるほど、「発言の重み」はあるかもしれませんが、同時に「身近さ」はなくなるものです。
これはどうしようもない。
でも、生徒との距離感は維持したい。
しかも当日は、初対面の生徒さんばかり。
思春期の女の子の扱いの難しさは、年頃の娘を持つ世のお父さん方が身をもって毎日感じていらっしゃるところでしょうが、この状態で、「モチベーションを上げて勉強に取り組みなさい」という説教じみた内容の話をするとして、ちゃんと聞いてもらえるかどうか心配でした。
当日は「勉強を頑張るって、こういうものだぞ」と頭から押さえつけるような話をするのではなく、生徒達が自然と「勉強を頑張るって、こういうものなのかな」と彼らの視点で気付いてもらえるように、グループディスカッションを重視したのですが、その班分けに工夫をして、生徒さんの心を掴む作戦でいきました。
ガチャガチャをして班分けします(これが大好評)
ガチャガチャをすると、チロルチョコが入っているのですが、そのパッケージの種類が9種類あって、同じ種類のチロルチョコを引いた者同士でグループを作るようにしました。
生徒さん達は、自分と同じパッケージの班員を楽しく探していました。
当日の生徒さんは、高1から高3までの合同クラスで転校生もいたので、さらに互いに親しくなってもらうため、班の名前を好き勝手に名乗ってもらうことにしました。
そしたら出るわ出るわ。
異様に長くて凝ったチーム名や、隣の班に対抗するチーム名や、やる気の無い脱力系のチーム名など、個性豊かなチーム名が揃いました。
また、生徒達も「講演するコチラ側」に興味をもってくれたようでした。
最初にこういう「遊び」の要素があると、生徒達はこちらに興味を持ってくれますし、ちょっと塾らしくないかも知れませんが、効果はテキメンです。
(※実は、塾長はお菓子会社で企画開発の仕事をしていましたので、こういう仕掛けは得意です)
(学年が違う生徒さんが集まっていますが、とても楽しく話してくれています)
さて、ここからは本題。
「カリスマ女子高生になる方程式」という内容で、話を進めていきます。
(真面目に語る塾長の藤井)
「カリスマってなんだろう」
「どんなことをする人がカリスマなんだろう」
「では、カリスマは最初からカリスマだったのかな」
「カリスマは最初はどんなことをして、どんなことを考えるんだろう」
「それを自分たちに反映した時、気付くことはないかな」
いきなり本題には入らず、段階的に分けて、少しずつ解決しながら、ほぼ2時間にわたり、じっくりと話し合いました。
(子供って天才ですよね、本当にいろんな意見が出ます)
最後には、『自分たちがもっと輝くために、今やるべきことはコレだよね』という話で、まとめることができました。
2時間ほどの長丁場でしたが、生徒さん達も一生懸命に聞き入ってくれましたので、本当にありがたかったです。
(木村先生も聞き入ってくれました!みんな勉強頑張ってね!)
私は理塾の教室で、毎日何人もの生徒と、勉強の話をします。
ただそれは、「授業で教える」だけではなく、「何のために勉強するのか」ということも多いです。
子供達は、わかったような顔をしますが、やはりわかっておらず、しばらくするとすぐに勉強をサボります。
そのたびに私は「何のために勉強をするのか」を繰り返し話します。
時には「勉強が全てじゃない。でも勉強をしなかったら、どうなるか考えてごらん」とも言います。
いろいろ話していると、生徒達はこちらの意気を感じて勉強に向かいます。頑張ってくれます。
頑張った生徒は褒めますが、しかし褒めることが全てとも思っていません。むしろ、生徒の頑張りに対して、褒めることで終わってはいけないと思っています。
本当に大切なことは、褒めることを通して「君は、頑張ったら何だってできる素晴らしい存在なんだよ」と気付かせることだ、「頑張ることは大変なことだけど、ちゃんと頑張ればどんな目標も達成できる」と実感させることだ、とそう信じているからです。
褒めることを通して、生徒は自信をつけます。ここで向上心もが育まれれば、さらに頑張ってくれそうなものですが、そう簡単ではありません。
なぜなら、褒められた生徒は頑張りますが、ちょっと成績が良くなるとすぐ有頂天になり天狗になって、また勉強をサボるからです。こうなっては意味がないので、また勉強の話をします。
毎日毎日、その繰り返しです。
毎日、どのご家庭でも、繰り返されている一幕が、塾でも繰り返されています。
本当の意味で理解してくれるのは、いつなんだろう、と考えたりもします。
本当の意味で理解してくれるのは、もしかすると、社会に出た時かも知れません。
しかし、その時になってもいいと思います。
「あの時に、うるさく言われていたのは、こういうことやったんか」と遅かれながらも思ってくれるなら、彼らはきっと、自分達の子供達にそれを伝えてくれるだろうからです。
授業以外の話も多くする、というとあまり学習塾っぽくないかも知れませんが、理塾はいつもこんなことを考え、日々授業をしています。
勉強のことでお悩みなら、理塾はきっと相談に乗れると思います。